すいなテキスト

 第1章すいなの基礎知識 

1)「すいな」 歴 史

中国伝統医学は4,000年の歴史を持ち、広大な風土と環境の中で古代から疾病との闘いの経験から生み出されたものとされています。

中国の戦国時代に(起源前400年~)「黄帝(こうてい)」という王様が部下に命じて人体の生理、基礎医学等を体系化、文書化したものが「黄帝内経(こうていだいけい)」としてまとめられました。

 

「黄帝内経」は「素問(そもん)」「霊枢(れいすう)」の2部構成となっています。

その後「黄帝内経」に対して研究がなされ、徐々に医学体系を構成するようになっていきました。

後漢時代(25年~)になって張仲景(ちょうちゅうけい)という人が「内経」を基礎として「傷感雑病論(しょうかんぞうびょうろん)」を著し、薬物治療に決定的な影響を与えて「医法の祖」、「医聖」と称されています。

「黄帝内経」と「傷感雑病論」は中医学文献の中で2大古典とされています。

その後、様々な研究がなされて盛衰をくりかえしながら発展していき、「針灸(しんきゅう)」を中心に世界に普及して経絡、経穴は現在WHOに登録されています。

中医学の三本柱は「鍼」「漢方」「推拿」となっており、西洋医学の考えを取り入れた病院にも「推拿科」があり、「推拿」の持つ手技の多様性、安全性、適応性の広さが認められているといえるでしょう。

中医学の理解は中国古代の哲学思想にあり、「陰陽五行」を中心とする古代哲学思想の理解が大切となります。

 

2)「すいな」の由来

「すいな」は「推拿」と書きます。

「すいな」は伝統中国医学の手技療法で「漢方」、「鍼」とともに公式に認められています。

医学大学にも「推拿科」が設けられているところがあり、病院でも市民に利用されて効果をあげています。

「推拿」は経絡に沿って手のひら、指を使って軽く擦る、つかむ、もむ、軽く叩く、圧迫する等の手技があり、手技の多様性、安全性、適応の広さが認められて歴史とともに継続されてきました。

「すいな」の最大の特徴は自律神経に作用して、体の機能を整えることにあります。

日本で人気のある街の整体、マッサージ店等もこの手法を使用しています。(“マッサージ”という名称は国家資格保有者でなければ表記できませんが、ここでは一般的な解釈として使用しています)

「推拿」という名称は中国の古代では「按摩」(アンモー)と呼ばれていましたがその後「按摩」の代名詞として「推拿」という言葉が使われてきました。

「按」「摩」「推」「拿」という個々の文字に意味があります。

「按」・・一方向に垂直に押す。

「摩」・・回す。

「推」・・一方へ押し進む。

「拿」・・つかみ上げる

要は“経絡に沿って手を用いて皮膚からの刺激を通じて、局所及び全身の機能を調整し、病原要素を除去する作用がある”といえます。

「推拿」療法には、体機能の調節、活血散雄瘀(かつけつさんお)=血流を良くする、体質の増強、鎮痛、筋肉など軟部組織を正常な状態に戻す、などがあります。恒常性 - ホメオスタシス - を保つというところが特徴です。

血流をよくして氣のめぐりを整えて自律神経の働きをよくしますので、ストレス軽減にも効果があります。
症状に応じて強弱深浅の加減をしますので安全な手技です。

人の体の状態を、①健康体、②未病、③病気またはけが、④病後やけがの治療後、とした場合整体で対応できるのは①②④で③は医者でなければできませんので注意が必要です。

 

3)「すいな」の施術と効用 - 最大の特徴=手技による氣と自律神経の調整

すべての施術において必ず副交感神経を優位にしてあげることが施術の効用です。
これが「すいな」の最大の特徴です。

副交感神経は身体の安静に作用し、心拍数を減少させてリラクゼーションがすすみ、癒しと元気回復が促進されます。

それには停止圧(ていしあつ)が大切で押圧はゆっくり、じわーっという感じで行います。

停止圧というのは押圧をしたときに抵抗を感じるところで停止するということです。停止をせずに押し続けると痛さと不快感が残るので要注意です。

停止圧を長くすると(7~8秒)浸透圧が働いてリラックス効果がより進みます。このとき肩や背中のこりが溶けるような気持ちよさで眠気を感じると思います。

停止圧の後はゆっくり力を抜きます。皮膚の弾力で指が戻る感じです。

意識的にポンと離してしまうと、受者はそこに意識が集中していたリラックス効果がもとに戻ってしまうので注意が必要です。

次のポイントへ移動するときは体から完全に指を離してしまわないで、少し圧をかけながらすべらすように移動させます。

基本的には、両拇指を重ねて按法、按揉法、揉法などをしますが、片拇指でもかまいません。

両拇指で行う場合、下にある拇指は経穴にあてるセンサーの役割をして、上にある拇指で力を入れます。

力をかけるときは、腕の屈伸で力を加減します。

下にある拇指で力を入れたり、体重をかけて押圧を行うと正しい触診や施術ができないだけでなく、バランスも悪くなり安定しないのです。

片拇指で行う場合、もう一方の手は体のどこかに軽く触れておくようにします。体に触れることで受者は安心し、神経がリラックスできるからです。

体には“氣”が流れていて、“氣”はつながっていますので身体から手や指を離すと“氣”の流れがとぎれてしまいます。

施術者の左右の手と指は必ずどちらかが受者の身体に触れていて“氣”の流れを保持することと、次の手技への不安を持たせないようにします。

予告なしに手を当てられると、びっくりしたり、不快感を持たれますので、必ず声をかけてやさしく手を当てることが大切になります。

施術中は副交感神経を優位にしますが、そのままにしておくと脱力感が強く残りますので、施術が終わったときは背中を軽く叩いて、交感神経を優位に戻します。

「推拿」には痛みを軽減させると同時に、自律神経の安定をもたらして内臓の働きを良くして、ストレス軽減の働きがあるのです。

簡単に述べましたが、以上が「すいな」の最大の特徴で、中医学の基本原則であり、必ず守ることが必要です。
それが自然治癒を促進するための大原則なのです


4)推拿の強さ

推拿を使うとき、受者に伝える手技の強さは施術効果に直接影響を及ぼしますから症状とお体に基づいた手法を選択し、それに見合った強さを運用しなければなりません。

方法としては、最初に温和な手法を使い、次にゆっくり強めに、徐々に最大の強さに達します。

施術を終わる前には逆に、最大の強さから徐々に弱めていって停止します。

経穴推拿は得氣(えき)を要す、といわれて経穴を押さえたときに、受者が軽いしびれのような、また、じわっと広がる脹満感や放射性の痺れ感があるように押えていきます。

上記の感覚がなく、ただ疼痛を感じるだけでは、強すぎるか、定位が正しくないことになります。

受者の症状にあわせて手法を選び、強さも融通をきかせ、得氣を延長させてその程度を増強または緩和させます。

施術者は施術の前に氣を払い、呼吸を整えて、手をもんで暖め、関節をよくまわして準備をします。

これは施術をスムーズに行うためと、受者に冷たい刺激を与えないためです。

施術の際は全神経を集中させて、推拿の順序、強さ、時間を受者の反応に応じて調節します。

施術者の判断になりますが、反応を注意深く観察しながら調節していきます。

また受者にも協力していただくようにお願いして、手法や順序などについて簡潔に説明し、協力の方法についても随時説明していきます。

推拿の強さは受者と術者が協力してより効果があるという点で、推拿は合氣の術であるともいえます。

  • 得氣(えき)とは

鍼で使われる用語で、鍼を刺したとき皮膚の下のつぼに到達したときに感じるものです。皮膚の表面ではなく奥にズーンとする“ひびき”のような感覚で、痛いような、

重いような、だるいような感覚で、つぼに当たった証拠と考えています。

推拿でも “得氣がなければ効果がない”と考えて、この感覚を大切にしています。


5)「すいな」整体施術の心構え  

“整体とは、その人の人生に触れること”

安全・安心・信頼 = 人間の営みすべての基礎、これがないと、技術は生きてこない。

安全 : 痛めない、傷つけない

安心 : 相手を気遣う心

信頼 : あなた自身

四診 ― 「すいな」整体を実施するときは

○ 受者の全体の様子をよく観て(望診-ぼうしん)

○ 声、言動、呼吸に注意して(聞診-ぶんしん)

○ 話をよく聴いて - どこが痛いのか、なぜそうなったのか等(問診-もんしん)

○ 訴える部位をよく見て、触れてみて(切診-せっしん)

以上を「四診(ししん)」といいます。

 

  • くどくどと聞きすぎてはいけません。プライバシ-の侵害やセクハラの危険があります。

また、推測で病名を告げることは絶対にしてはいけません(法律に違反します)。

 

実際に施術をするときは

□ 身だしなみを整える - 清潔な衣服、爪を切る、歯をみがく、マスクの用意等

□ 施術をする前に手をよく揉んで暖め、両手の関節をよく動かす

  真向法(まっこうほう)やストレッチを取り入れて体を柔軟に保つ 

 

  • 受者をリラックスさせる(節度をもって)

受者は“どんなことをされるのか分からないので、施術の方法、施術の過程で生じる状況
(うとうと眠くなる、経穴を押すと痛みがある等)について簡潔に説明し、同時に協力していただくよう導く(姿勢や呼吸の仕方等)

  • 受者の施術姿勢に注意して、窮屈にならないよう、また施術の部位がリラックスするように常に気を遣い、丁寧に導く
  • 術者の姿勢も施術の部位によって随時調節する

適当な位置、歩み方、姿勢は施術者の力の出し入れと持久的操作に有利となる

*ここが“疲れにくい”要因となります

□ 全神経を集中して打ち込む、順序、強さ、時間は受者の反応によって随時調節する

 

禁忌事項

整体は血流を良くすることと神経に作用する手技です。
病気は血の流れによって繁殖することが多いので整体は禁忌とされています。
また、筋肉や骨に直接アプローチしますので骨の病気も禁忌です。

推拿療法に限らず整体の仕事に関わる方は問診で症状をお客様に必ず確認する必要があります。

 

禁忌の症状

悪性腫瘍、敗血症、結核、精神病、血管神経損傷を起こし得る者(てんかん等)

極度に疲労した者、

皮膚病の者、

骨粗しょう症、

椎間板ヘルニア

酒に酔っている者

妊婦および生理期間の女性は控えたほうがよい

 

第2章 中国医学の基礎

1)人と自然の統一性

人体観

中医学の人体観は、森羅万象、絶えず運動し相互に関連しあっていて、人と自然の統一性を重視している点にあります。

自然の変化は直接的、間接的に人体に影響し、人体はこれに対応して様々な反応を示しています。

 

例えば

季節や気候の変化による私たちの体の対応、朝夕、昼夜の陽気の運行と精神状態の変化などがあります。

そして人体は整理上、このような変化の法則に適応していると考えているのです。

 

中医学では季節を五季(ごき)に分けてそれぞれ特徴を定義しています。

春は温暖、夏は炎熱、長夏(ちょうか)は湿気、秋は乾燥、冬は寒気というように私たちが普段気にしたり、気をつけていることを医学に応用しているのです。

 

自然と人体が影響している例としては、春にうつ病が発症しやすい、ということがあります。

春は肝気が旺盛になってイライラしたり、怒りっぽくなったりというように精神的に影響を及ぼすというものです。

有機的統一体

人体の組織は互いに連絡しあい、互いに影響しあっています。

五臓を中心に生理的な相互関係があり、経絡が個々の構成要素を連絡しているとみています。

人体に病変は経絡を通じて臓腑の機能が体表や器官に反応が現れ、また体表や器官の変化も経絡を通じて関係する臓腑に影響しているのです。ですから局所の不具合がある場合、例えば肩こりや腰痛等、まず体全体を観て局所との関連を考察する必要があります。

肩こりや腰痛は激しい運動や力仕事、デスクワークや家事などで長時間同じ姿勢を続ける場合に発生しやすいのですがこのような外的要因だけでなく、胃、肝臓、腎臓などの不良も考慮しなければならない、ということです。

そういう面で人体は有機的統一体ということがいえるのです。

2)陰陽学説

宇宙間のあらゆる事物は、すべて陰と陽の相互に対立する2つの面を含んでいる、と定義し医療に応用しています。

中医学では人体に対して、推動、温絇作用をもつ氣を「陽」とし、人体に対して栄養・滋潤作用をもつ氣を「陰」と称しています。

例: 陽 - 上・天・日・昼・晴・日・熱・動・昇・外・明・・・・・

   陰 - 下・地・月・夜・曇・水・寒・静・降・内・暗・・・・・

陰陽は絶対的なものではなく相対的なものであり、陰は陽に転化し陽は陰に転化することができるとしています。

上は陽で下は陰であるが、上がなければ下は存在せず、また下がなければ上がない、

熱は陽で寒は陰であるが、熱がなければ寒もなく、寒がなければ熱もないと考えています。

この陰陽の依存関係を人体の臓腑組織の構造と機能との関係で、肝臓、心臓などの五臓は陰、胃や腸などの腑は陽と定義して互いに依存しあう関係としています。

肝 - 胆  心 - 小腸  脾 - 胃  肺 - 大腸  腎 - 膀胱   

陰陽のどちらも他の一方を牽制し制約する作用と力を持ち、相手と自身を常に動態的バランスのとれた上体にしています。

陰は陽の亢進を制約し、陽は陰の行き過ぎを制約し、陰陽のかたよった盛衰を矯正しています。

人体はひとつの有機的な統一体であり、陰陽が互いの行き過ぎを制約し、動態的なバランスのとれた状態が健康状態ということです。 

 

病理変化への応用

疾病は陰陽の相対的バランスが失調した結果として発生すると考えています。

疾病の発生と発展には、正気(しょうき)と邪気(じゃき)が関係しているとしています。

正気とは人体の構造と機能を指し、邪気とは各種の疾病を引き起こす因子のことです。

この陰陽のバランスを四診(ししん)に応用します。

色つや、話し声、口数、手足の動き、熱、寒がる、飲み物、皮膚や脈など


病因病機

病因学説 

中国医学の病因認識は、症状を主な手掛かりとして病因を解明するところにあるので
長期にわたる臨床の観察を基礎として「審証求因」(病因弁証)という方法で形成されてきました。

「審証求因」とは、自然界の変化法則を組み合わせて各種の発病因子の性質とその特徴を探るものです。

外因、内因、不内外因がある

病因の種類

1.六淫(ろくいん)

2.七情(しちじょう)

3.飲食と労逸(ろういつ)

4.外傷

5.痰飲と瘀血(たんいんとおけつ)

 

病機

どういうときに疾病が発生し、それが発展したり変化するときのメカニズムのことです。

体質や病因と密接な関係があります。

疾病の発生や発展変化は、一定条件下での邪正闘争の反映である

病機には2つの要素がある

  • 身体の機能の失調 - 正気の衰弱・・より大きな要素を占める
  • 邪気の影響    - 正気が衰退して抵抗力が弱ると邪気(病邪)が侵入する

 

病機の種類

  • 邪正盛衰 - 正気と邪気の闘争で疾病の虚実の属性を決定する
  • 陰陽失調 - 体内の陰陽の平衡が失調する。複雑な変化を見せる
  • 気血津液失調 - 臓腑、経絡、組織器官を字要旨、潤し、温くする作用が低下
    気病・・・1)気の機能の減退 - 気虚、気陥、
         2)気の運行の失調 - 気滞、気逆、気閉、気脱
         
    血病・・・1)血の機能の減退 - 血虚、
         2)血の運行の失調 - 血熱、血瘀

    津液・・・生成・輸送・排泄の平衡状態が失われる
         1)津液の不足 - 津液の量が大幅に減少
         2)津液の代謝障害 - 津液代謝に関わる臓腑の機能失調
           輸送障害・・津液の停滞、痰飲、水湿の内生
           排泄傷害・・汗、尿、便、

*津液代謝は、肺・脾・腎・膀胱・三焦の気か作用で行われるので、これらの臓腑の
生理機能が失調すると津液代謝の異常が現れる

 

  • 経絡病機 - 経絡系統の病理的な変化
    1)経絡気血の盛衰 ・・ 偏盛、偏衰、衰竭
    2)経絡気血の運行失調・・ 運行障害、運行の逆乱

 

  • 臓腑病機 - 病機学の中で最も重要な位置を占めて、臓腑弁証の理論的根拠となる
    1)臓腑の機能失調
    2)臓腑の陰陽気血の失調

    心病 - 心陽、心気の失調・
         心陰、心血の失調

    肺病 - 肺気の失調
         肺陰の失調

*実・・・邪気が亢進して病理に反映したもの、抵抗力が強く症状がはっきり出る

*虚・・・正気不足が病理に反映したもの、虚弱な人、疾病の後期、慢性病などに表れる
3)五行学説(ごぎょうがくせつ)

五行とは 木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)という五種類の物質を異なる性質、作用、形態のことです。

相互に生み出し - 相生(そうせい)、相互に制約する - 相克(そうこく)という関係があります。

 

それぞれ次のような特徴を持っています。

   木・・・ 曲直 - 条達、伸びやか

   火・・・ 炎上 - 温熱、上昇

   土・・・ 稼ショク - 生化、受納

   金・・・ 従革 - 粛清、変革、収斂

   水・・・ 潤下 - 寒涼、滋潤、下行

○ 五行相生の順序 - 相互産生・相互助長

木生火、   火生土、   土生金、    金生水、    水生木、

 (もくせいか) (かせいど) (どせいきん)(きんせいすい) (すいせいもく)

これを母子関係として説明している

 

○ 五行相克の順序 - 相互制約、相互抑制

木克土、    土克水、    水克火、   火克金、   金克木

 (もっこくど) (どこくすい) (すいこくか) (かこくきん)(きんこくもく)

五行学説の運用

五臓系統の生理機能(~系統と記すのはその臓器に関る器官を指すため)

 

  肝臓系統(木) 疏泄、昇発  : 肝 - 胆 

  心臓系統(火) 温煦作用   : 心 - 小腸 

  脾臓系統(土) 生化の源   : 脾 - 胃 

  肺臓系統(金) 静粛、収斂  : 肺 - 大腸

  腎臓系統(水) 水を主る   : 腎 - 膀胱

五臓の相生の関係

  腎(水)の精は肝を養い

  肝(木)の蔵する血は心を助け、

  心(火)の熱は脾を温め、

  脾(土)が化生する水穀の精微は肺を満たし

  肺(金)の粛降作用により腎を助ける

 

五臓の相克の関係

  肺(金)の氣は下降して肝陽を抑制し、

  肝(木)は条達により脾氣の疏泄を行い

  脾(土)は運化により腎水を制御し、

  腎(水)は潤す作用により心火の亢進を防止

  心(火)は陽熱により肺金の粛降を制約

 

中医学では五行学説を運用して、五臓系統の生理機能および相互関係を解釈して、人体と内外環境との相互連絡・相互制約という全体性と統一性を説明しています。

 

氣・血・津液 (き・けつ・しんえき)

 

中医学では氣・血・津液は人体の生命活動を維持するための重要な物質である、としています。

これらは互いに強調し合って、臓腑、経絡を機能させるための基礎物質であり、重要な位置を占めています。

 

氣の概念

 

宇宙に存在するすべての事物を自らの運動、変化によって創出する基礎的な要素であり、人体の生命活動において高い活動性をもった精微な物質で、「昇・降・出・入」の活動によって絶えず動いて全身をめぐっています。

 

血(けつ)の概念

 

血液のことです。

人体の各臓腑、組織、器官を潤して、人体に不可欠な栄養物質です。

 

津液(しんえき)の概念

 

体内の血液以外の各種の液体の総称で、唾液、涙、鼻水、汗、尿なども含まれます。

臓腑の異常は津液の生成、輸布、排泄に影響を与え、臓腑の機能に影響を及ぼします。

特に重要なのは肺、脾、腎の3臓といわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氣の分類

 

  • 元気 : 父母の血を受け継いだ先天の氣のことで、原氣、真氣、生氣とも呼ばれ生命活動の原動力で、

(げんき)  人体の氣の中でも最も重要なものです。
元気は全身に分布して臓腑から皮膚にいたるまでいきわたっています。
元気が充実すれば臓腑の機能が旺盛になりますます健康になっていきます。
元気が不足すると臓腑の機能が衰え、様々な病を発生するようになります。

 

  • 宗氣 : 肺によって吸入された自然の大気と脾胃によって運化吸収された飲食物の胸中に集められます。

(そうき)  宗氣は肺の呼吸作用と心血の運行を推動する機能と、視る、聴く、話す、動くという身体機能
と関係があります。
喉を通って呼吸を行い、言葉や声、呼吸の強弱と関係があり、もうひとつは心臓の鼓動を推進調節し、氣血の運行、身体の温涼や活動に関係しています。

 

  • 営氣 : 営氣とは運化吸収された飲食物の栄養物質が生成される過程において血液になる前の状態の

(えいき)  ものを血液に転化させ、血管の中をめぐらせて全身を営養しているものです。
営氣は生成された栄養物質を血液に吸収し、全身、五臓六腑の組織に栄養をいきわたらせます。

 

  • 衛氣 : 血管外を全身にわたってめぐり、皮下脂肪や筋肉を温め、皮毛を潤沢にし、汗腺を開閉して

(えき)   体温調節をはかる、などの機能があり外邪が侵入する場合の第一障壁となっています。
活動性が高く、動きが速いという性質があります。

 

 

 

 

 

氣の作用と運行

作用 :   氣は人体に重要な作用を及ぼしており、その種類によって独自の働きをもっています。
その作用は推動作用、温煦作用、防御作用、固摂作用、気化作用の5つです。

 

運行 :   人体の氣は高い活動性をもった精微な物質であり、絶えず動いて全身を巡っています。
その運動形式は氣の種類によって異なり、「昇・降・出・入」の4種です。

「昇・降・出・入」は人体の生命活動をシンボリックに表現したもので、氣の昇降出入の
停止は生命活動の停止を意味します。

 

 

 

血(けつ)と津液(しんえき)

 

血の概念

血は現代医学の血液と似た概念で、飲食物の栄養物質から作られ、営氣(えき)の作用により血管の中を全身にわたって循環しているものです。

 

血の作用

血は全身の組織、器官に栄養分を供給し、滋潤するように働いています。

血の滋養を得ることで筋骨は強く逞しくなり、関節はスムーズに動きます。また血は精神意識活動の基礎物質であり、不足すると精神の病変となって驚悸、失眠、多夢などの不安定症状がおこりやすくなります。

 

 

津液(しんえき)の概念

 

津液とは体内における血液以外の各種の正常な水液の総称で、唾液、涙、涕(ハナミズ)、汗、尿なども含まれます。また関節の動きを滑らかにしたり、骨髄と脳髄を滋潤しています。

津液は飲食物が胃を経て小腸から大腸に下る間に絶えず吸収され皮毛に至ります。津液の生成・輸布・排泄は複雑で多くの臓腑の共同作業により行われていてなかでも特に重要なのは肺・脾・腎の3臓といわれています。

津液の分類

 

澄んでさらさらしたものを「津」(しん)、濁ってねっとりしたものを「液」といっています。

「津」は全身を循環し、各組織を滋潤して、体外には涙、唾、汗などとして現れます。

「液」は骨節、筋幕、頭蓋腔のなかにあって、関節の動きを滑らかにしたり脳髄を滋養しています。

ただしこの2つは明確に区別できないことが多く、互いに影響しあっているので「津液」と総称しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3章 経絡と経穴

経絡の概念

 

経絡とは経脈と絡脈の総称です。

「経脈」は身体を上下に流れる幹線であり、「絡脈」は経脈の分枝で全身に網の目のように縦横に分布しています。

経絡は氣血(きけつ)の通り道で臓腑と四肢・関節とを連絡し、身体の上下・内外を貫いて体内のすべての機能を調整しています。

人体のすべての組織器官は有機的なつながりを持ち、全体としての統一性を保っています。

 

 

経絡の作用

 

経絡には3つの作用があります。

 

  • 生理的作用 
    氣血の運行、陰陽の調和、外邪からの防御する

すべての組織器官は経絡の氣血の運行が正常に行われることにより実現されていて、相対的なバランスや協調関係を保っています。

外邪の多くは皮膚から進入しますが、経絡はこれに対抗し、身体を保護する作用があり、最も重要になるのは“衛氣”です。

 

  • 病理面の作用 
    病邪の伝送、病状を反映する通路
    外邪が体内に侵入すると経絡を通じて臓腑へと伝えられます。臓腑は経絡によって連絡しているのである臓器に病があると経絡を通じて他の臓器へ移ることがあるとして、病邪の伝送と病状の発展には経絡の流れが密接に関わっています。

 

  • 治療面 
    施術の刺激を伝導し、臓腑の調整をする
    手を用いて経絡に刺激を伝導し臓腑の調整する作用は「氣が至る」ことが効果を得る鍵です。

 

「氣が至る」とは、だるさ、張った感じ、重い感じ、しびれ感などの感覚が生じることで、経絡に沿って伝導する現象のことです。
氣が至ることによって氣血の調整、扶正去邪の作用がおこり、陰陽のバランスが回復して体調不良を快方へ向かわせるのです。

 

 

 

 

 

経穴

 

経絡と経穴

経絡は、体内では五臓か六腑に属し、体表では骨格、関節、筋肉および皮膚に絡むもので経穴を通じて生理機能や病理変化を表しているので経絡と経穴は一体となって身体を巡っています。

 

経穴の概念

経穴とは身体の臓腑経絡の氣が出入りする身体の表面のある特定の部位のことです。

経穴は腧穴(ゆけつ)ともよばれています。

 

経穴は人体の生理機能、病理変化が体表のある特定の部位に表れる敏感点および反応点、施術の刺激点とされています。

 

一般的に十二経脈と督脈、任脈に属する経穴を指し、十四経穴と称しています。WHO国際標準で英語表記、経穴順序を定め、経穴数361と定められました。

 

経穴の成り立ち

 

経穴は古代の中国医学から人体の生理機能や病理変化の理解を深め、施術と治療経験を積み重ね、東洋思想の陰陽五行とともに進化を遂げて生理、分類、系統化したものです。

 

経穴と陰陽五行

 

経穴は陰陽五行理論と理論的に体系化されています。

 

陰 ・・・ 五臓・胸腹部・下部・陰経・四肢の前面

陽 ・・・ 六腑・背部 ・上部・陽経・四肢の後面

 

 

 

 

十二経脈流注(るちゅう)のサイクル

 

経絡とは経脈と絡脈を総称した呼び方です。

経脈は12本あり、経穴(氣の出入り口)が多く、身体の深層を縦に(上から下、下から上)走っています。任脈(にんみゃく)と督脈(とくみゃく)を併せて14経脈と呼ばれます。

 

12経脈の呼び方とサイクル

 

  • 太陰肺経(手)   - たいいん はいけい

   ↓

  • 陽明大腸経(手)  - ようみょう だいちょうけい

   ↓

③ 陽明胃経(足)   - ようみょう いけい

   ↓

④ 太陰脾経(足)   - たいいん ひけい

   ↓

⑤ 少陰心経(手)   - しょういん しんけい

   ↓

⑥ 太陽小腸経(手)  - たいよう しょうちょうけい

   ↓

⑦ 太陽膀胱経(足)  - たいよう ぼうこうけい

   ↓

⑧ 少陰腎経(足)   - しょういん じんけい

   ↓

⑨ 厥陰心包経(手)  - けついん しんぽうけい

   ↓

⑩ 少陽三焦経(手)  - しょうよう さんしょうけい

   ↓

⑪ 少陽胆経(足)   - しょうよう たんけい

   ↓

⑫ 厥陰肝経(足)   - けついん かんけい   ↓① 太陰肺経へ戻る

12経脈の氣血流注は手の太陰肺経から足の厥陰肝経までをひとつのサイクルとしています。

任脈、督脈は12経脈とは別にそれぞれ諸陰経、諸陽経を統括しています。

1.任  脈(にんみゃく)

任脈は身体の前面(胸、腹)の中心を盾に走る系脈で「陰経の海」といわれ、諸陰経を統括する作用を持っています。

泌尿、生殖器系、婦人科、消化器経、胸部、咽喉疾患などに効果があります。

諸陰経とは、肺経、心包経、心経、脾経、腎経、肝経を指します。

2. 督
 
  脈 (とくみゃく)
 
 
督脈は背骨の真上を走る経脈で、陽経を統括しています。
頭部の沈静作用、呼吸、循環器系の調節、消化器系、泌尿器および腰痛、
生殖器系や婦人科疾患などに効用があります。
陽経とは大腸経、三焦経、小腸経、胃経、胆経、膀胱経を指します。

要穴表  1.太陰 肺経(手) - たいいん はいけい

肺の臓に属し、大腸の腑に絡む  

呼吸器系、上肢全面橈側の知覚・運動障害に用いる 

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 太淵 (たいえん) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  少商 (しょうしょう) のどの痛み、ぜんそく、
栄火 (えい か) 魚際 (ぎょさい) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、発熱、
兪土 (ゆ  ど ) 太淵 (たいえん) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み
経金 (けい ごん) 経渠 (けいきょ) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み
合水 (ごう すい)  尺沢 (しゃくたく) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み、感冒、肘関節障害
絡穴(らくけつ) 列缺 (れつけつ ) 頭痛、歯痛、寝違え、咽喉炎、
郄穴(げきけつ) 孔最 (こうさい) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み、感冒
募穴(ぼけつ)  *太陰肺経 中府 (ちゅうふ) せき、ぜんそく、発熱、のどの痛み、胸や背中の痛み、感冒、頚腕神経障害
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 肺兪 (はいゆ) 呼吸器系疾患、感冒、アレルギー、

 

 

 

 

 

 

要穴表  2.陽明 大腸経(手) - ようみょう だいちょうけい

「陽は外を主る」-体表の症状(五官や皮膚、筋肉の疾患)によく用いる

大腸の腑に属し肺の臓に絡む - 顔面、鼻、歯、咽喉の疾患、皮膚病、橈骨(とうこつ)神経の知覚・運動障害

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 合谷 (ごうこく) 顔面の知覚、咽喉炎、高血圧、橈骨(とうこつ)神経の知覚・運動障害
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  商陽 (しょうよう) 咽喉炎、肩痛、鼻かぜ、急性胃腸炎
栄水 (えい すい) 二間 (じかん) 咽喉炎、肩痛、鼻かぜ、急性胃腸炎
兪木 (ゆ  もく ) 三間 (さんかん) 咽喉炎、肩痛、鼻かぜ、急性胃腸炎
経火 (けい か) 陽谿 (ようけい) 橈骨(とうこつ)神経の知覚・運動障害、歯痛、頭痛
合土 (ごう ど)  曲池 (きょくち) 頚腕・肘関節障害、橈骨(とうこつ)神経障害、高血圧、生理痛、咽喉炎
絡穴(らくけつ) 偏歴 (へんれき) 橈骨神経障害、歯痛、歯痛、五十肩
郄穴(げきけつ) 温溜 (おんる) 橈骨神経障害、歯痛、歯痛、五十肩
募穴(ぼけつ)  *陽明胃経 天枢 (てんすう) 下痢、腹痛、便秘、生理痛
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 大腸兪 (だいちょうゆ) 腰痛、坐骨神経痛、下痢、便秘

 

 

 

 

 

要穴表  3.陽明 胃経(足) ― ようみょう いけい

胃の腑に属し、脾の臓に絡む

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 衝陽 (しょうよう) 足関節障害、顔面神経麻痺、歯痛
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  厲兌 (れいだ) 足軟無力、足関節障害、顔面神経麻痺、歯痛、鼻血、急慢性胃腸炎
栄水 (えい すい) 内庭 (ないてい) 足軟無力、足関節障害、顔面神経麻痺、歯痛、鼻血、急慢性胃腸炎
兪木 (ゆ  もく ) 陥谷 (かんこく) 足軟無力、足関節障害、顔面神経麻痺、歯痛、鼻血、急慢性胃腸炎
経火 (けい か) 解谿 (かいけい) 下腿の知覚・運動障害、足関節障害、頭痛、めまい、腹痛、下痢
合土 (ごう ど)  足三里 (あしさんり) 消化器経の疾患、婦人病、高血圧、慢性疲労、坐骨神経痛
絡穴(らくけつ) 豊隆 (ほうりゅう) 下腿の知覚・運動障害、膝関節障害、頭痛、めまい、腹痛、下痢、高血圧
郄穴(げきけつ) 梁丘 (りょうきゅう) 大腿痛、膝関節及び周囲軟部組織の知覚・運動障害、急性胃腸炎、腹痛
募穴(ぼけつ)  *任脈 中脘 (ちゅうかん) 胃腸の諸症状、胃痛、嘔吐、便秘、胃下推垂
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 胃兪 (いゆ) 胃腸疾患、胸脇痛、膵臓の疾患

顔面(鼻、歯)や咽喉の疾患、下肢前面外側の知覚・運動障害及び胃腸等の消化器系の疾患に用いる。

 

 

 

 

 

要穴表  4.太陰 脾経(足) - たいいん ひけい

脾の臓に属し、胃の腑に絡む。

下肢内側の知覚・運動障害、消化器経、栄養吸収不良、慢性疲労の改善、婦人科の疾患

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 太白 (たいはく) 足指痛、腹痛、嘔吐、下痢、神経衰弱、急性慢性胃腸炎
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  隠白 (いんぱく) 婦人科の諸症状、下痢、足指痛、神経衰弱
栄火 (えい か) 大都 (だいと) 足指痛、腹痛、嘔吐、下痢、神経衰弱、急性慢性胃腸炎、
兪土 (ゆ  ど ) 太白 (たいはく) 足指痛、腹痛、嘔吐、下痢、神経衰弱、急性慢性胃腸炎
経金 (けい ごん) 商丘 (しょうきゅう) 足関節痛及び周囲軟部組織障害、腓腹筋痙攣、腹痛、嘔吐、食欲不振
合水 (ごう すい)  陰陵泉 (いんりょうせん) 膝と下腿の知覚・運動障害、婦人病、生殖器系の障害、腹痛、下痢、腰痛
絡穴(らくけつ) 公孫 (こうそん) 足指痛、腹痛、嘔吐、下痢、神経衰弱、急性慢性胃腸炎
郄穴(げきけつ) 地機 (ちき) 膝と下腿の知覚・運動障害、婦人病、生殖器系の障害、腹痛、下痢、腰痛
募穴(ぼけつ)  *厥陰肝経 章門 (しょうもん) 腹痛、下痢、腹脹
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 脾兪 (ひゆ) 腹痛、下痢、腹脹、消化器系の疾患、倦怠感、膵臓の疾患

 

 

 

 

 

 

要穴表  5.少陰 心経 (手) - しょういん しんけい

心の臓に属し、小腸の腑に絡む

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 神門 (しんもん) 心痛、動季、不眠、ヒステリー、
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  少衝 (しょうしょう) 尺骨神経障害、小指の知覚・運動障害、ヒステリー
栄火 (えい か) 少府 (しょうふ) 尺骨神経障害、小指の知覚・運動障害、ヒステリー
兪土 (ゆ  ど ) 神門 (しんもん) 心痛、動季、不眠、ヒステリー、
経金 (けい ごん) 霊道 (れいどう) 心痛、動季、不眠、ヒステリー、尺骨神経障害、不整脈
合水 (ごう すい)  少海 (しょうかい) 肘関節内側の知覚・運動障害、頭痛、めまい
絡穴(らくけつ) 通里 (つうり) 心痛、動季、不眠、ヒステリー、尺骨神経障害、不整脈
郄穴(げきけつ) 陰郄(いんげき) 心痛、動季、不眠、ヒステリー、尺骨神経障害、不整脈
募穴(ぼけつ)  *任脈 巨闕 (こけつ) 胃痛、嘔吐、吐き気、口臭、しゃっくり
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 心兪 (しんゆ) 心臓疾患、不眠、神経衰弱、肋間神経痛

心臓・循環器系、脳の精神意識障害、上肢全面尺側の知覚・運動障害

 

 

 

 

 

 

 

 

要穴表  6.太陽 小腸経 (手) - たいよう しょうちょうけい

小腸の腑に属し、心の臓に絡む

顔面、耳、咽喉の疾患、上肢後面尺側の知覚・運動障害

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 腕骨 (わんこつ) 尺骨神経麻痺、手関節障害、頭痛、発熱、無汗
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  少沢 (しょうたく) 小指麻痺、咽喉炎、耳鳴り、頭痛、発熱、無汗
栄水 (えい すい) 前谷 (ぜんこく) 尺骨神経麻痺、咽喉炎、耳鳴り、頭痛、発熱
兪木 (ゆ  もく ) 後谿 (こうけい) 尺骨神経麻痺、頭痛、肩こり、腰痛、寝違え
経火 (けい か) 陽谷 (ようこく) 尺骨神経障害、手関節障害、咽喉炎、耳鳴り、頭痛、歯痛
合土 (ごう ど)  小海 (しょうかい) 尺骨神経障害、肘関節障害、耳鳴り、頭痛、めまい
絡穴(らくけつ) 支正 (しせい) 尺骨神経障害、肘関節障害、耳鳴り、頭痛、めまい、耳鳴り
郄穴(げきけつ) 養老 (ようろう) ギックリ腰、手関節障害、寝違え、頭痛
募穴(ぼけつ)  *任脈 関元 (かんげん) 貧尿、尿漏、生理不順、ED,下痢、腹痛、体力の回復
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 小腸兪(しょうちょうゆ) 下痢、小便振り、尿漏、婦人疾患

 

 

 

 

 

 

要穴表  7.太陽 膀胱経(足) - たいよう ぼうこうけい

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 京骨  (きょうこつ) 後頭痛、腰・腿痛
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  至陰  (しいん) 頭痛、めまい、鼻血
栄水 (えい すい) 足通谷 (あしつうこく) 後頭痛、めまい、鼻血
兪木 (ゆ  もく ) 束骨  (そうくこつ) 後頭痛、腰背・下肢後面痛
経火 (けい か) 崑崙  (こんろん) 後頭痛、アキレス腱障害、踵痛
合土 (ごう ど)  委中  (いちゅう) 腰痛、下腿の知覚・運動障害、
絡穴(らくけつ) 飛陽  (ひよう) 腰背・下肢後面痛
郄穴(げきけつ) 金門  (きんもん) 腰痛、下腿痛
募穴(ぼけつ)  *任脈 中極  (ちゅうきょく) 頻尿、尿漏、生理不順、ED
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 膀胱兪 (ぼうこうゆ) 下腹痛、泌尿器系疾患、下痢、便秘、婦人科疾患

太陽膀胱経は膀胱の腑に属し、腎の臓に絡んでいます。

 

 

 

経穴の数も多く、顔面、頭部、頚部、胸部、腰部、仙骨、下肢と及ぶ範囲が広く、
ストレス軽減、眼精疲労、頭痛、肩コリ、呼吸器系、消化器系の不調、腰痛、生殖器、坐骨神経など応用範囲の広い経絡です。

 

 

 

要穴表  8.少陰 腎経(足) - しょういん じんけい

腎の臓に属し、膀胱の腑に絡む。

足底、下肢内側の知覚・運動障害、泌尿・生殖器系、内分泌、婦人科疾患

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 太谿 (たいけい) 足指痛、泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  湧泉 (ゆうせん) 足指痛、ふくらはぎがつる、頭痛、不眠、高血圧、
栄火 (えい か) 然谷 (ねんこく) 足指痛、泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患、足の冷え
兪土 (ゆ  ど ) 太谿 (たいけい) 足指痛、泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患
経金 (けい ごん) 復溜 (ふくりゅう) 泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患、
合水 (ごう すい)  陰谷 (いんこく) 下肢内側の知覚・運動障害、手足の冷え
絡穴(らくけつ) 大鐘 (だいしょう) 足関節障害、泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患
郄穴(げきけつ) 水泉 (すいせん) 踵痛、泌尿器・生殖器系の障害、婦人疾患
募穴(ぼけつ)  *小陽胆経 京門 (けいもん) 小便不利、肋間痛、下痢
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 腎兪 (じんゆ) 腰痛、泌尿器・生殖器系の障害、手足の冷え、婦人疾患、慢性下痢

 

 

 

 

 

 

 

要穴表  9.厥陰 心包経(手) - けついん しんぽうけい

心包の臓に絡み、三焦の腑に絡む

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 大陵 (だいりょう) 手・関節障害、心痛、動季、喘息、
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  中衝 (ちゅうしょう) 正中神経障害、手の知覚・運動障害、心痛、動季、ヒステリー
栄火 (えい か) 労宮 (ろうきゅう) 正中神経障害、手の知覚・運動障害、心痛、動季、ヒステリー
兪土 (ゆ  ど ) 大陵 (だいりょう) 手関節障害、心痛、動季、ヒステリー、不眠、胃痛、嘔吐
経金 (けい ごん) 間使 (かんし) 正中神経障害、心痛、動季、ヒステリー、不眠、
合水 (ごう すい)  曲沢 (きょくたく) 正中神経障害、心痛、動季、胃痛、嘔吐、肘関節障害
絡穴(らくけつ) 内関 (ないかん) 心痛、動季、胃痛、嘔吐、ヒステリー
郄穴(げきけつ) 郄門(げきもん) 正中神経障害、心痛、動季、ヒステリー
募穴(ぼけつ)  *任脈 膻中(だんちゅう) 胸やけ、心痛、動季、喘息、嘔吐、ゲップ、肋間神経痛
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 厥陰兪(けついんゆ) 胸部・心痛、神経衰弱、肋間神経痛

心臓・循環器系、神経症、上肢全面の神経

 

 

 

 

 

 

 

 

要穴表  10.少陽 三焦経(手) - しょうよう さんしょうけい

三焦の腑に属し、心包の臓に絡む

顔面、耳、目の疾患、肩関節、上肢伸筋の知覚・運動障害

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 陽池 (ようち) 眼の疾患、耳鳴り、手関節障害、頚腕障害
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  関衝 (かんしょう) 尺骨神経麻痺、偏頭痛、耳鳴り、咽喉炎
栄水 (えい すい) 液門 (えきもん) 尺骨神経麻痺、偏頭痛、耳鳴り、咽喉炎、頚腕障害
兪木 (ゆ  もく ) 中渚 (ちゅうしょ) 耳鳴り、咽喉炎
経火 (けい か) 支溝 (しこう) 耳鳴り、前腕伸筋の知覚・運動障害、便秘
合土 (ごう ど)  天井 (てんせい) 偏頭痛、耳鳴り、肘関節障害
絡穴(らくけつ) 外関 (がいかん) 手関節障害、頚腕障害、頭痛、耳鳴り
郄穴(げきけつ) 会宗 (えそう) 耳鳴り、前腕伸筋の知覚・運動障害、耳鳴り
募穴(ぼけつ)  *任脈 石門 (せきもん) 小便不利、生理不順、下痢、腹痛
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 三焦兪(さんしょうゆ) 腹痛、お腹の張り、下痢、小便不利

 

 

 

 

 

要穴表  11.少陽 胆経(足) - しょうよう たんけい

胆の腑に属し、肝の臓に絡む

側頭部、眼、耳の疾患、胸脇部、下肢外側の知覚・運動障害、胆嚢の疾患

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 丘墟(きゅうきょ) 頚頭痛、下腿の無力、外くるぶし(外果)の腫れ・痛み
五兪穴(ごゆけつ) 井金 (せい ごん)  足竅陰(あしきょういん) 偏頭痛、耳鳴り、めまい、不眠
栄水 (えい すい) 侠谿 (きょうけい) 頭痛、耳鳴り、めまい
兪木 (ゆ  もく ) 足臨丘(あしりんきゅう) 頭痛、耳鳴り、めまい
経火 (けい か) 陽輔 (ようほ) 偏頭痛、眼の疾患、下腿の外側痛
合土 (ごう ど)  陽陵泉(ようりょうせん) 膝関節障害、下腿知覚・運動障害
絡穴(らくけつ) 光明 (こうみょう) 膝痛、下腿知覚・運動障害
郄穴(げきけつ) 外丘 (がいきゅう) 頚部筋肉痛、下腿の外側痛
募穴(ぼけつ)  *少陽胆経 日月 (じつげつ) 胸脇部、肋間神経痛、嘔吐、ゲップ
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 胆兪 (たんゆ) 胆嚢疾患、胸脇部苦満

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

要穴表  12.厥陰 肝経(足) - けついん かんけい

肝の臓に属し、胆の腑に絡む。

足背部、下肢内側の知覚・運動障害、生殖器系、婦人科疾患

経穴名               効    用
原穴 (げんけつ) 太衝 (たいしょう) 頭痛、のぼせ、めまい、不眠、生理不順、生理痛、足背痛
五兪穴(ごゆけつ) 井木 (せい もく)  大敦 (だいとん) 生理不順、生理痛、
栄火 (えい か) 行間 (こうかん) 頭痛、めまい、小便不利、婦人科疾患
兪土 (ゆ  ど ) 太衝 (たいしょう) 頭痛、のぼせ、めまい、不眠、生理不順、生理痛、足背痛
経金 (けい ごん) 中封 (ちゅうほう) 内果(うちくるぶし)通、足関節障害、生殖器系、婦人科疾患
合水 (ごう すい)  曲泉 (きょくせん) 生殖器系、婦人科疾患、腹痛、膝関節内側、下腿内側の知覚・運動障害
絡穴(らくけつ) れい溝(れいこう) 生殖器系、婦人科疾患、下腿内側の知覚・運動障害
郄穴(げきけつ) 中都 (ちゅうと) 生殖器系、婦人科疾患、下腿内側の知覚・運動障害
募穴(ぼけつ)  *厥陰 肝経 期門 (きもん) 胸脇苦満、腹痛、お腹の張り、下痢
兪穴(ゆけつ) *太陽膀胱経 肝兪 (かんゆ) 背筋痛、眼疾患、肝疾患、婦人科疾患、自律神経調節

 

 

 

 

第4章 人体の基礎知識

人体の成り立ち

解剖学と生理学

 

私たちの体は約60兆個の細胞からできているといわれています。

そしてその細胞はそれぞれ独自の働きをして、高度に組織化されていて互いに協力しあい、生命を維持するのに必要な機能を果たしています。

 

人体の仕組みを知るためには解剖学と生理学があります。

 

解剖学は人体の構造について、生理学は機能についてと分けることができます。

整体に携わる人は人の体に触れる以上人体の成り立ちについてしっかり勉強する必要があります。

 

人の体は老若男女、千差万別で通り一遍に見ることはできません。特にお年寄りには細心の注意が必要です。骨が脆くなっていて安易に押圧をすると骨折ということにもなりかねません。また、若い方でもけがや体調不良、持病をお持ちの方など、それぞれが特有の状態にあります。

女性の場合は妊娠や生理なども要注意です。

 

また、ストレスなどによる精神的疲労などは体だけを施術しても軽減することはなかなか難しいところです。そのひとの生活の背景にも触れるからです。

ですから「整体はその人の人生に触れること」を肝に銘じて、人体の成り立ちをよく理解して施術をする必要があるのです。

 

ここでは「すいな施術」に最低限必要な解剖学として人体の骨格と筋肉について解説し、次に生理学として内臓の機能について説明していきます。

 

「すいな施術」においては経絡、経穴、骨格、筋肉、内臓そして氣というものがすべてに連携していますので基本をしっかり理解していきましょう。

 

 

人体の構成

 

人体の構成の基礎は骨、筋肉、神経、血液、リンパ、内臓です。

 

Ⅰ. 骨

  • 骨の基礎

骨は体を支える支柱で、関節を作り、内臓の保護をし、骨髄の造血作用があります。

カルシウム、リンを貯蔵し血中濃度の恒常性を保っています。

 

人体の骨は以下の構成になっています

 頭    22

 舌     1

 耳     6

 背骨   26

 胸    25

 肩~手  64

 骨盤~足 62

 合計  206

 

1. 頭蓋骨(とうがいこつ、ずがいこつ)
頭蓋骨は舌の骨1個を含めて23個です。
主に脳を守る働きをしています。

 

2. 背骨(脊椎)
背骨は 頸椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、
仙骨(せんこつ)1個、尾骨1個、合計26個で構成されています。
背骨は体の支柱として体重を支え、地面からの衝撃をやわらげ、脊髄を保護しています。

 

3. 胸の骨(胸骨)
胸骨1個、肋骨12対、合計25個から構成され、肺と心臓を守っています。
呼吸の際は胸郭の拡張と収縮を繰り返します。
圧迫に弱いので高齢者や子供には注意が必要です。

 

4. 骨盤
骨盤は寛骨(かんこつ)が左右に1対、腸骨(ちょうこつ)、恥骨(ちこつ)、
坐骨(ざこつ)がそれぞれ1個ずつあり、腸、泌尿器や生殖器を維持、保護しています。

 

 

  • 骨の役割

 

  • 体を支える支柱
  • 関節を形成し、屈折の運動機能を持つ
  • 内臓の保護
  • カルシウム、リンを貯蔵し、血中濃度の恒常性を保つ
  • 骨髄には造血作用がある

 

  • 骨の種類

 

長骨(ちょうこつ)   :長い骨 - 四肢

短骨(たんこつ)    :短い骨 - 手足

扁平骨(へんぺいこつ) :平らな骨 - 肩甲骨、頭蓋骨

不規則形骨(ふきそくけいこつ):形が不規則な骨 - 椎骨

種子骨(しゅしこつ)  :機械的効率がある - 膝蓋骨

 

  • 骨の構造

 

・骨質   : 骨の表面の緻密骨でカルシウム、リンを主成分とする
血中のカルシウムが不足すると骨からカルシウムが減る

・骨膜   : 骨の一番外側の薄い膜で血管、神経があり、骨に栄養、知覚を与え、
骨折をしたときは修復作用がある

・海綿質  : 骨の内部にある網目構造のスポンジ状の物質で、その網目に骨髄がある

・軟骨   : 関節等の接触面の保護、回転運動を補助して呼吸時には胸部を拡張収縮させる

 

 

 

Ⅱ.筋肉

 

「すいな施術」において“筋肉”の知識は重要です。

筋肉と経絡、経穴は密接であり、人の体が痛みや不具合を訴える場合必ず筋肉に触れて施術をしていきます。

経絡、経穴は筋肉の上や重なった部分や、起始(きし)停止に巡っていて施術の際に筋肉の機能や状態を知って施術をすることが効果的なのです。

 

筋肉の種類

筋肉には形と機能から骨格筋、心筋、平滑筋の3つの種類があります。

また上の3つの中で腕や足のように自分の意思で働かせる随意筋、内臓など自分の意思で動かせない不随意筋という分類があり、不随意筋は自律神経によってコントロールされています。

心筋は心臓の筋肉です。

 

筋肉には骨格筋、心筋、平滑筋があり随意筋と不随意筋に分かれます。

 

骨格筋: 筋肉、腱、靭帯で人体の骨格を支えている筋肉です。

骨は単独では自立できないので骨の前後、左右についていて骨格筋が支えています。
関節をまたいで骨と骨をつないで、ひとつの筋肉が始まるところを起始(きし)、
終わるところを停止(ていし)といいます。

筋肉の端は腱となって骨についています。
筋肉は拮抗して骨に付着して、伸びる筋肉(伸筋)、縮む筋肉(屈筋)がバランスをとって
いるのです。

施術の際は必ず両方の影響を考慮して施術をすることが必要となります。
骨格筋は筋原繊維が集まって筋繊維となり、筋繊維が集まって筋肉を形成しています。

筋肉の疲労の原因として乳酸があります。通常は睡眠によって疲れはとれますが、とりきれないと老廃物が蓄積して筋肉の収縮性が悪くなり炎症を起こす要因となるのです。

炎症を起こす前に施術によって血流をよくすることが大切ですが、同時に生活改善や、
ストレッチなどのセルフケアでも改善できます。

骨格筋は随意筋で体を動かす働きがあり、体重の半分を占めています。
骨格筋は必ず骨から骨へと一つの関節をまたいで着いていて片面だけでなく、表側と裏側に拮抗して着いているので(伸筋と屈筋)施術は双方を意識して施す必要があります。

 

骨格筋の種類
紡錘状筋 - 二頭筋、三頭筋、二腹筋、
多腹筋  - 羽状筋、板状筋、三角筋

 

 

骨格筋の起始と停止
筋肉が腱になり、骨に付着するところで起始と停止があって
起始は体幹に近く、脊柱に近く、運動が少ない。
停止は体幹から遠く、脊柱から遠く、運動が多い。

 

  • 推拿(すいな)の施術は起始と停止への正確なアプローチが必要です。

 

 

心筋と平滑筋

 

心筋と平滑筋は自分の意志で動かすことができない不随意筋で、自律神経にコントロール

されています。ストレスの影響を受けやすい筋肉です。

心筋は心臓の筋肉、平滑筋は肺、胃、腸、肝臓、膀胱等の内臓と血管、リンパ等を形成しています。

 

*内臓は自律神経の影響を受けやすい筋肉(内臓)なのでストレスなどの精神的影響を受けやすく、推拿(すいな)の施術によって自律神経に作用するので内臓の自然回復力を増進して体の元気を取り戻すことになるのです。

 

心筋 : 心臓固有の筋肉で休みなく律動的な収縮をしています。

 

平滑筋: 心筋と同様自分の意思では動かせない筋肉で自律神経にコントロールされています。
例えば胃の収縮活動や肺の呼吸活動、血管の動きなどは自分の意思では変えることができません。
平滑筋には、消化器、呼吸器、泌尿器、血管、リンパ管などがあり、ストレスの影響を受けやすい筋肉です。

「すいな整体」では自律神経に働きかけるので内臓の働きがよくなるのです。

 

筋肉の運動

 

筋肉の運動には、屈曲と伸展、内転と外転、回内と回外、内旋と外旋、内返しと外返しがあって、それぞれ協力をして動いています。

 

 

 

筋肉の協調運動

 

  • 主力筋 :一つの運動の主力となる筋肉 - 大腿二頭筋、半腱様筋
  • 協力筋 :同一の方向に運動する筋肉  - 上腕二頭筋と上腕筋
  • 拮抗筋 :反対の運動をする筋肉    - 上腕二頭筋(屈筋)と上腕三頭筋(伸筋)

 

その他筋肉の補助となるもの

 

筋膜    :筋を保護し、位置を保持し、収縮を制限する
収縮の際に隣接する筋との摩擦を軽減する

筋支帯   :手首、足首に多い筋の腱 - 屈筋支帯、伸筋支帯

滑液包   :滑液が入っている袋状のもので筋の起始、停止や関節の付近にある
滑液を分泌して筋肉の摩擦を軽減する

種子骨   :関節部分の骨端部分にあって腱の摩擦に抵抗する小骨

 

 

 

 

Ⅲ.神経の基礎

 

神経は体の情報収集(知覚神経・末梢神経) - 痛み、かゆみ等と

指令を出す(中枢神経) - 手を引っ込めろ、足を掻け、等がある。

 

知覚(感覚)神経が見る、聞く、触る、味わう、臭う(五感)感覚を脳に伝え

中枢神経(運動神経)が各部位へ - 目、耳、手足、舌、口、鼻へ脳の指令を伝える。

 

運動神経  :脳、脊髄から発し、筋肉の収縮や緊張の命令を伝達する神経
脳から出る神経 12本、 脊髄から出る神経 31対(62本)

 

知覚神経  :筋肉の感覚や緊張度を脳へ伝達する神経

 

自律神経  :意志に関係なく反応する神経で内臓や血管などの器官を支配する
交感神経と副交感神経があり、体の内部環境を整える

 

Ⅳ.血液の基礎

 

  • 血液の役割

・酸素の運搬と二酸化炭素の回収 - ガス交換

・栄養補給

・老廃物の回収

・ホルモンの運搬

・細菌ウイルスへの攻撃 -白血球

 

  • 血液の構成 - 赤血球(20%)、白血球(10%)、血小板(10%)、血漿(60%)

・赤血球  :ガス交換 = 酸素(栄養)を送り、二酸化炭素(老廃物)を回収

・白血球  :細菌ウイルスの外敵を飲み込む

・血小板  :出血したときに凝固して止血する

・血漿   :細胞に栄養を与え、ホルモンを運搬する
老廃物の回収、体温の調整、
水分、塩分、カルシウム、リンの調整

・リンパ球 :異物の働きを抑制、攻撃 - リンパ官で運搬

 

  • 血管 - 動脈と静脈(約9万km)

・動脈   :心臓から血液を送り出し、栄養を運ぶ管のこと
体の中心付近を走行して、壁が厚く弾力がある

 

・静脈   :毛細血管から老廃物を回収して処理をし、心臓へ血液を戻す管
表皮知覚を走行して断面が扁平で壁は薄く、弾力はない
各所に一対の静脈弁があって下から上へ行く血流の逆流を防ぐ

静脈流は筋肉の収縮運動で下から上へ戻る

 

  • 血圧

心臓の収縮で送り出された血液が動脈の壁に加える力の大きさ

心臓が収縮すると最大血圧となり、拡張すると最少血圧となる

精神的緊張、内臓の異常、動脈硬化、肥満、妊娠、運動量、遺伝、環境などの影響を

受けて血圧が上がる

Ⅴ.リンパの基礎

 

  • リンパ球

リンパ球は骨髄や脾臓で作られ血液の成分として血管を通して流れ、細菌などの感染防止の必要に応じて毛細血管からにじみ出す血漿に近い液体

細胞のあいだに排出された物質代謝の最終分解産物(老廃物)、死んだ細胞や血球とそのかけら、細菌などを運ぶ

 

  • リンパ管

毛細リンパ管は毛細静脈で回収できない老廃物を回収して合流しながら太くなり、リンパ節を作り、次第に一本となって鎖骨下静脈で血管と合流する

リンパ管はほぼ寄り添うかたちで全身に分布している

 

  • リンパ節

リンパ管の各所に存在するリンパのろ過装置

末梢からのリンパがろ過されて病原体、異物、毒素等が取り除かれる

永久器官ではなく、退化新生を繰り返している

大きさは一様ではなく顕微鏡レベルからそら豆大まである

 

  • リンパの異常による症状

  リンパの異常はストレスや疲れで流れが停滞し、淀むことから発生する

  むくみ、たるみ、肌のかさつき、肩こり、便秘、生理痛、足のむくみ、冷え性等

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅵ. 内臓機能

 

簡単に臓腑の働きについて簡単に説明します。

 

「胃」    食物と胃壁から分泌する胃液を筋肉の収縮運動で混ぜ合わせて、消化する準備をします。
容量は1200~1600mlになります。

 

「脾臓」   約100gの器官ですが、古い赤血球を壊し、赤血球の貯蔵をしたり、リンパ球を作り
ます。

 

「大腸」   上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸と分かれますが、胃から送られた食物の
水分を吸収して、大便として直腸に送ります。

 

「肺」    静脈が運んできた血液から二酸化炭素をとりあげて、横隔膜の筋肉の収縮と弛緩で
空気中の酸素を動脈血に与えるガス交換を行います。

 

「腎臓」   左右にひとつずつあって、血液から老廃物をろ過して、尿として排出します。
尿の成分は85%が水分、15%が固形分となっています。

 

「膀胱」   腎臓でろ過された尿を貯めておくタンクの役割です。容量は約500mlありますが、
250~300ml貯まると尿意を催します。

 

「胆嚢」   肝臓で作られた胆汁から水分を絞り、貯蔵して、脂肪を消化、吸収されやすい形に
します。

 

「肝臓」   有毒物質の解毒をしたり、アルコールを分解します。また、血液を貯蔵して血液量の
調整を行います。

       身体の化学工場と言われて、沈黙の臓器とも言われます。

 

「小腸」   胃から送られた食物を分解して、大腸へ送る作業をします。4~6時間かかります。
栄養を吸収して残ったカスを大腸へ送ります。

 

「心臓」   身体に血液を送るポンプの役割をしています。大動脈を通して全身に、肺動脈を通して
二酸化炭素の多い血液を肺に送ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5章 整体の運動機能学 

 

1)身体・精神・情緒の統一

 

身体の痛みと機能障害は軟部組織が関与しています。

“軟部組織”とは皮膚・筋幕・筋肉・腱・靭帯・軟骨・滑液包・関節包・血管・リンパ等があり、主として繊維と流体から構成されています。

 

軟部組織は相互に関連する統一体であり、それぞれの組織が他の組織に影響を与え、情緒、心理にも影響を与えています。

人に触れるときは、優しいタッチを心がけ、遠くから近くへ、軽いタッチから強いタッチへと相手にリラックス感を与えることによって、血圧の低下、心拍数の低下を導き、筋緊張を和らげて情緒的、心理的な癒しをもたらし身体の修復機能を促すものです。

 

「すいな整体」では、経絡および経穴に刺激を与えて氣血の流れを整えるとともに手技による筋肉へのアプローチによって痛みのもとである筋肉の過緊張や弱化、不均衡、関節の稼動域の縮小などの軟部組織の機能障害を正しく機能させることによって、自律神経の働きと痛みの治癒を促進させることを目的としています。

 

「すいな整体」の施術に於いて、経絡アプローチと軟部組織の機能回復は必ず必要となりますので軟部組織の運動機能学を知ることが重要です。

 

ここでは「すいな」でよく使われる筋肉を主体に説明していきますが、これがすべてではありませんので拮抗筋、伸筋・屈筋など随時修正、加筆していきます。

 

 

 

筋肉と関与する症状・経穴

 

2)頭部、頚部の筋肉

筋肉  :頭板状筋・頚板状筋 - 後面・・・胃経

胸鎖乳突筋・斜角筋 - 前面・・・胃経

 

機能  :動的安定性・運動性・バランス・姿勢コントロール

 

機能障害:姿勢異常・心理情緒的ストレスによる頚部痛、頭痛、肩こり

     持続的な収縮による腕の痛み、痺れ、胸郭出口症候群

 

  • 頭板状筋(とうばんじょうきん) - 胃経

起始(きし) :C4~C7項靭帯とT1~T3の棘突起

停止(ていし): 乳様突起と上項線の外1/3

動作     :頚部の伸展・回旋

主な適応症状 :頭痛・肩こり

経穴     :完骨・風池

 

  • 頚板状筋(けいばんじょうきん) - 胃経

  起始     :第3~第5胸椎の棘突起及び棘上靭帯

  停止     :第1~第2頚椎の横突起の後結節

動作     :頚部の伸展・回旋

主な適応症状 :頭痛・肩こり

  経穴     :天柱・風池・瘂門

 

○ 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとっきん) - 胃経

起始     :胸骨柄の前面と鎖骨の胸骨端

  停止     :乳様突起と上項線の外側半分

  動作     :頚部の屈曲・側屈・回旋

  主な適応症状 :頭痛・肩こり

  経穴     :完骨・天窓・扶突・水突・気舎

 

○ 斜角筋(しゃかくきん) - 前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋

起始     :C1~C7

  停止     :第一肋骨の前部と外側部

  動作     :頚椎の側屈

  主な適応症状 :前斜角筋症候群・めまい・腕のしびれ・筋緊張による頭痛

  経穴     :扶突・水突・気舎・缺盆

 

 

 

 

 

 

 

3)肩と腕の筋肉

 

筋肉  :菱形筋・僧帽筋・肩甲挙筋・前鋸筋 

棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋  - ローテーターカフ

機能  :肩甲骨の固定・ 肩関節の外転、内転、外旋、内旋、伸展および肩甲帯の挙上

機能障害:肩こり・五十肩・インピンジメント症候群(炎症)

 

  • 菱形筋(りょうけいきん) - 大菱形筋・小菱形筋

起始(きし) :C7~T5の棘突起

停止(ていし): 肩甲棘の上下肩甲骨脊椎縁

動作     :肩甲骨を上内側に引く、肩甲骨を体幹に固定、

主な適応症状 :猫背

経穴     :肺兪・厥陰兪

 

  • 僧帽筋(そうぼうきん) - 脾経

  起始     :外後頭隆起、第7頚椎および胸椎の棘突起

  停止     :肩峰と肩甲棘、内側縁

動作     :肩関節の屈曲・伸展・外転・内転・外旋および肩甲骨の挙上

主な適応症状 :肩こり

  経穴     :天柱・巨骨・肩井・肩外兪・肩中兪・天宗

 

○ 肩甲挙筋(けんこうきょきん) - 胃経

起始     :C1~C6 頚椎横突起

  停止     :肩甲骨上角

  動作     :肩甲骨の挙上

  主な適応症状 :頭痛・肩こり

  経穴     :肩外兪・肩中兪

 

○ 前鋸筋(ぜんきょきん) ― 肺経

起始     :第一~第九肋骨の外側面

  停止     :肩甲骨の上下角とその間の内側面

  動作     :肩甲骨の外転および上方回旋

  主な適応症状 :肩甲骨の不安定性 -肩甲骨の主要な固定筋で菱形筋の拮抗筋

 

 

 

 

 

  • 棘上筋(きょくじょうきん) ― 任脈

起始     :肩甲骨の肩甲上か

停止     :上腕骨の大結節

動作     :肩関節の外転

主な適応症状 :肩こり・五十肩

経穴     :巨骨

 

  • 棘下筋(きょくかきん) 

起始     :肩甲棘の下縁

停止     :上腕骨の大結節の中面

動作     :肩関節の外旋

主な適応症状 :肩こり・五十肩

経穴     :

 

  • 小円筋(しょうえんきん) ― 三焦経

起始     :肩甲骨外側縁の上3/2

停止     :上腕骨の大結節の下面

動作     :肩関節の外旋・水平伸展

主な適応症状 :肩こり・五十肩

経穴     :肩貞

 

  • 肩甲下筋(けんこうかきん) ― 心経

起始     :肩甲下か

停止     :上腕骨の小結節

動作     :肩関節の内旋

主な適応症状 :肩こり・五十肩

経穴     :

 

  • 三角筋(さんかくきん) ― 前部・胆経, 中部・肺経

起始     :鎖骨の外1/3、肩峰の縁、肩甲棘の下縁

停止     :上腕骨概則面の三角筋粗面

動作     :肩関節の屈曲・伸展・外転・水平内転、外転

主な適応症状 :肩こり・五十肩・腕の痛み

経穴     :肩髃、肩髎、

 

 

 

 

  • 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん) - 長頭・短頭 

起始     :長頭 - 肩甲骨の関節上結節

        短頭 - 烏口突起

停止     :長頭、短頭は途中で合体し停止部分でまた2本に分かれ、

        一本は橈骨粗面にもう一本は上腕二頭筋腱膜となって

尺側の前腕筋膜に至る

動作     :前腕の屈曲と回外、長頭は外転に、短頭は内転に関与する

主な適応症状 :肩こり・五十肩・腕の痛み

経穴     :

 

  • 上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん) - 長頭・外側頭・内側頭  - 脾経

起始     :長頭 - 肩甲骨の関節下結節

        外側頭 - 上腕骨の外側後上方

        内側頭 - 上腕骨の後方の骨幹

停止     :肘の尺骨の肘頭

動作     :肘の伸展・上腕の伸展と内転

主な適応症状 :腕の痛み

経穴     :肘髎

 

 

 

4)胸の筋肉

 

筋肉  :大胸筋

 

  • 大胸筋(だいきょうきん)― 胃経 

起始     :鎖骨の内側半・胸骨・第一~第六肋軟骨・胸骨体・胸骨柄

停止     :上腕骨の大結節稜

動作     :肩関節の水平内転・屈曲・内旋

主な適応症状 :肩こり・五十肩

経穴     :中府・雲門・

 

 

 

5)背中の筋肉(1)

 

筋肉  :脊柱起立筋 - 胸最長筋・胸棘筋・胸腸肋筋・腰腸肋筋の総称  - 膀胱経

     脊柱起立筋は背部お最も長く、最も大きな筋で深部にあって脊柱両側を縦走しています。

     仙骨の後面と腸骨稜の後部から起こり、椎骨・肋骨に着き、乳様突起に至ります。

          

機能  :体幹部の伸展および後屈・腰椎を骨盤に固定する

 

機能障害:肩こり・背中の痛み・腰痛

 

  • 胸棘筋(きょうきょくきん) 

起始     :第11・12胸椎と第1・2腰椎横突起

停止     :第1~8胸椎棘突起

動作     :体幹部の伸展および後屈・腰椎を骨盤に固定する

主な適応症状 :肩こり・背中の痛み・腰痛

経穴     :膀胱経

 

  • 胸最長筋(きょうさいちょうきん)

  起始     :仙骨棘・腰椎横突起

  停止     :胸椎横突起・第3~12肋骨の起部

動作     :体幹部の伸展および後屈・腰椎を骨盤に固定する

主な適応症状 :肩こり・背中の痛み・腰痛

  経穴     :膀胱経一側(一枝)

 

○ 胸腸肋筋(きょうちょうろくきん)

起始     :第6~12肋骨幹部

  停止     :第7頚椎横突起

  動作     :体幹部の伸展および後屈・腰椎を骨盤に固定する

  主な適応症状 :肩こり・背中の痛み・腰痛

  経穴     :膀胱経二側(二枝)

 

○ 腰腸肋筋(ようちょうろくきん) 

起始     :仙骨稜・腰椎・第11~12腰椎の棘突起

  停止     :第6~12肋骨の起部

  動作     :体幹部の伸展および後屈・腰椎を骨盤に固定する

  主な適応症状 :肩こり・背中の痛み・腰痛

  経穴     :膀胱経二側(二枝)

 

 

 

 

 

背中の筋肉(2)

 

筋肉  :大円筋・広背筋

          

機能  :肩関節の内転・内旋・伸展

 

機能障害:肩こり・背中の痛み

 

  • 大円筋(だいえんきん) ― 督脈

起始     :肩甲骨の下角

停止     :上腕骨の小結節

動作     :肩関節の内転・内旋・伸展

主な適応症状 :肩こり・背中の痛み

経穴     :肩貞

 

  • 広背筋(こうはいきん) - 脾経

  起始     :肩甲下角・第7~12胸椎及びすべての腰椎の棘突起

          仙骨の棘突起と腸骨稜の後半部・下位肋骨

  停止     :上腕骨の小結節

動作     :肩関節の内転・内旋・伸展

主な適応症状 :肩こり・背中の痛み

  経穴     :肩貞・肝愈~三焦兪・膈関~志室

 

 

 

 

6)腰・臀部の筋肉

 

筋肉  :腰方形筋・ 大臀筋・中臀筋

     腸腰筋(ちょうようきん) - 大腰筋&腸骨筋

  • 腰方形筋(ようほうけいきん) ― 大腸経

起始     :腸骨稜の内側唇および腸腰靭帯

停止     :腰椎1~4横突起の前面と第12肋骨

動作     :体幹部の側屈・体幹と骨盤の安定

主な適応症状 :肩こり・背中の痛み・腰痛

経穴     :膀胱経

 

  • 大腰筋(だいようきん) - 腎経

  起始     :第12胸椎から第5腰椎の椎体と椎間円盤・腰椎横突起

  停止     :大腿骨の小転子

動作     :股関節の前屈

主な適応症状 :腰痛・骨盤の前方回旋

  経穴     :

 

○ 腸骨筋(ちょうこつきん) - 腎経

起始     :腸骨窩 の上縁および腸骨稜の内側縁

  停止     :小転子

  動作     :股関節の前屈

  主な適応症状 :腰痛・骨盤の前方回旋

  経穴     :

 

○ 大臀筋(だいでんきん) ― 心包経

起始     :腸骨の後方線・仙骨の後面・尾骨・仙結節靭帯

  停止     :大腿筋膜の腸脛靭帯の浅層3/4と大腿骨

  動作     :股関節の伸展・外転・外旋・体幹のバランス

  主な適応症状 :腰痛・歩行異常・ハムストリングスの弱化

  経穴     :膀胱経

 

○ 中臀筋(ちゅうでんきん) ― 心包経

起始     :腸骨の後方線・仙骨の後面・尾骨・仙結節靭帯

  停止     :大腿筋膜の腸脛靭帯の浅層3/4と大腿骨

  動作     :股関節の伸展・外転・外旋・体幹のバランス

  主な適応症状 :腰痛・歩行異常・ハムストリングスの弱化

  経穴     :膀胱経

 

 

 

 

 

 

7)下肢の筋肉

 

筋肉  :大腿筋膜張筋

大腿四頭筋 - 大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋

     ハムストリングス-大腿二頭筋長頭・大腿二頭筋短頭・半腱様筋・半膜様筋

     縫工筋、短内転筋・長内転筋、大内転筋、薄筋

 

大腿四頭筋(だいたいしとうきん) ― 小腸経

  • 大腿直筋(だいたいちょくきん) 

起始     :下前長骨棘・寛骨臼上線

停止     :膝蓋骨上縁・ 膝蓋靭帯・脛骨粗面

動作     :股関節の屈曲と膝関節の伸展

主な適応症状 :股関節の異常・膝の痛み

経穴     :血海

 

  • 外側広筋(がいそくこうきん)

  起始     :大腿骨粗線外側唇

  停止     :大腿直筋の腱の両側・膝蓋骨上縁

動作     :股関節の屈曲と膝関節の伸展

主な適応症状 :股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :血海

 

  • 中間広筋(ちゅうかんこうきん)

  起始     :大腿骨前面

  停止     :大腿直筋の腱の後両側・膝蓋骨

動作     :股関節の屈曲と膝関節の伸展

主な適応症状 :股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :血海

 

  • 内側広筋(ないそくこうきん)

  起始     :大腿骨粗線内側唇

  停止     :大腿直筋の腱の両側・膝蓋骨上縁

動作     :股関節の屈曲と膝関節の伸展

主な適応症状 :股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :血海

 

 

 

  • 大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん) 

起始     :上前腸骨棘

停止     :脛骨粗面外側部

動作     :股関節の屈曲と内旋・外転および膝関節の外旋

主な適応症状 :股関節の異常・膝の痛み

経穴     :環跳

 

○ 縫工筋(ほうこうきん) 

起始     :上前腸骨棘

  停止     :脛骨粗面内側縁

  動作     :股関節の屈曲・膝関節の内旋

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :曲泉

 

内転筋群(ないてんきん) 

○ 短内転筋

起始     :恥骨上施肢

  停止     :粗線内側唇の上1/3

  動作     :股関節の内転

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :

 

○ 長内転筋

起始     :恥骨結合及び恥骨稜

  停止     :粗線内側唇の中央1/3

  動作     :股関節の内転

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :

 

○ 大内転筋

起始     :坐骨結節

  停止     :粗線・大腿骨内転筋結節

  動作     :股関節の内転・伸展

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :

 

 

 

○ 薄筋(はくきん)

起始     :恥骨結合近くの恥骨枝

  停止     :脛骨内顆下方の骨幹

  動作     :股関節の内転・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :曲泉

 

ハムストリングス-大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋

○ 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)長頭

起始     :坐骨結節(下内側面)

  停止     :腓骨小頭および脛骨外顆

  動作     :股関節の伸展・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :承扶・殷門・委中

 

○ 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)短頭 

起始     :大腿骨遠位部の後外側面

  停止     :腓骨小頭および脛骨外顆

  動作     :股関節の伸展・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :承扶・殷門・委中・陰谷・陰陵泉

 

○ 半腱様筋(はんけんようきん) 

起始     :坐骨結節(下内側面)

  停止     :脛骨骨幹部の近位端の前内側部

  動作     :股関節の伸展・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :承扶・殷門・委中・陰谷・陰陵泉

 

○ 半膜様筋(はんまくようきん) 

起始     :坐骨結節(上外側面)

  停止     :脛骨内顆の後内側面

  動作     :股関節の伸展・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :腰痛・股関節の異常・膝の痛み

  経穴     :承扶・殷門・委中・陰谷・陰陵泉

 

                    

 

          

 

 

8)下腿の筋肉

 

筋肉  :下腿三頭筋 - ヒラメ筋・腓腹筋(内側頭・外側頭)

     前脛骨筋

 

下腿三頭筋

 

  • ヒラメ筋(ひらめきん) 

起始     :脛骨・腓骨・骨間膜の後面の上部

停止     :踵骨隆起(アキレス腱)

動作     :足関節の底屈

主な適応症状 :足の疲労

経穴     :承山・陰陵泉・地機・崑崙

 

腓腹筋

  • 内側頭(ないそくとう)

  起始     :大腿骨内顆の上後部

  停止     :踵骨後面下部1/2(アキレス腱)

動作     :足関節の底屈・膝関節の屈曲

主な適応症状 :足の疲労

  経穴     :承山・陰陵泉・地機・崑崙

 

○ 外側頭(がいそくとう)

起始     :大腿骨外顆の上後部

  停止     :踵骨後面下部1/2(アキレス腱)

  動作     :足関節の底屈・膝関節の屈曲

  主な適応症状 :足の疲労

  経穴     :承山・陰陵泉・地機・崑崙

 

 

 

○ 前脛骨筋(ぜんけいこつきん) 

起始     :脛骨外側面・下腿骨間膜

  停止     :第一中足骨底

  動作     :足関節の背屈・内反

  主な適応症状 :足の疲労

  経穴     :足三里~解谿